【モノを減らす暮らし⑧】「捨てる」の罪悪感――写真を撮れば、軽くなる

再スタート

「モノを減らす」。この方針は変わりません。でも、実際にやっていると妙なことに気付きます。

なぜ、モノを捨てると痛みを感じるのか

改めて考えると、不思議なものです。だから、できることなら売りたい。誰かに譲りたい。
「捨てた」ではなく、「誰かに使ってもらった」と思いたい。

もちろん、それも一つの方法です。ただ、売るにも譲るにも、時間と手間がかかります。
そこで最近、もう一つの方法があることに気付きました。

捨てる前に、写真を撮る

これだけで、意外なほど「捨てる」ことに納得できる場合があります。
思い入れがあり、思い出があり、自分にとっては大切で貴重なもの。でも、市場価値は……。

写真は、祖父がかまぼこ板や不要な端材から作った「帆船」です。

生年はもう覚えていません。父が昭和3年生まれだったと思うので、祖父は明治生まれだったのでしょう。
当時の人は、今よりずっと「自分で作る」ことが身近だったのだと思います。家のちょっとした修理まで、自分でやってしまう。
祖父も、孫に模型を与えようと、かまぼこ板や端材を重ね、貼り合わせ、削って、ゼロからこの船を作りました。
その光景を、私はかすかに覚えています。

端材と、ナイフと、やすりと、糸と、塗料。
すでにプラモデルの時代でしたから、私の両親も驚いていました。

これが、捨てられなかったのです。

しかし、文化遺産ではありません(笑)。でも私には大切なものです。

しっかり写真を撮って、自己満のためにSNSにも載せ、廃棄させていただきました。

帆船はなくなりました。
でも写真のおかげで、大切な記憶とじいちゃんの横顔が消滅することはありません。

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